ショートスリーパーとは|短い睡眠で足りる人という言葉
「ショートスリーパー」は、短い睡眠時間でも日中を過ごせるとされる人を指す言葉です。ここでは、この言葉が何を指しているのかと、公的な資料に睡眠時間の個人差がどう書かれているのかを整理します。
- 短い睡眠で足りるとされる人を指す日常語であること
- 公的な資料にこの言葉は見あたらず、書かれているのは「個人差」であること
- 成人版の目安は6時間以上で、短くする方法は書かれていないこと
ショートスリーパーとは
ショートスリーパー(short sleeper)とは、短い睡眠時間でも日中を過ごせるとされる人を指して使われる言葉です。「あの人は4時間で足りるらしい」といった話題で登場する、日常語として広まった言い方です。
ただし、何時間未満ならそう呼ぶ、という公的な決まりは見あたりません。紹介される時間数もまちまちで、出どころがはっきりしないまま数字だけが伝わっていることもあります。
資料に出てくるのは「ロングスリーパー」
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」を通して読むと、「ショートスリーパー」という言葉は出てきません。いっぽう「ロングスリーパー」という言葉は、次のように書かれています。
睡眠には少なからず個人差があり、持病等によっても睡眠の状態が変化する可能性があるため、本ガイドに書かれている事柄が、全ての人に常に当てはまるとは限りません。たとえば、一定数存在する10時間を超える長い睡眠を必要とする人(ロングスリーパー)の場合、ガイドに沿って睡眠時間を8時間に短くすることはかえって睡眠不足を招く可能性があります。
(厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」睡眠に関する基本事項より)
ここで書かれているのは「人によって必要な睡眠時間は違う」ということです。足りない眠りが続いたときの言い方は睡眠負債のページにまとめています。
ショートスリーパーは日常語です。資料に書かれているのは「必要な睡眠時間には個人差がある」ということです。
資料があげている目安は「6時間以上」です
同じガイドの成人版には、推奨事項として次のように書かれています。
適正な睡眠時間には個人差があるが、6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保する。
(厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」成人版 推奨事項より)
本文には、この目安についてさらに次のような説明もあります。
ただし、適正な睡眠時間には個人差があり、6時間未満でも睡眠が充足する人もいれば、8時間以上の睡眠時間を必要とする人もいます。
(同ガイド 成人版「睡眠時間の確保について」より)
短い睡眠で足りる人がいる、とは書かれています。ただしそれと「短くしましょう」という話は別で、目安として示されているのは6時間以上のほうです。
「短くても平気」と言い切りにくい理由
見落とされやすい点がもうひとつあります。何時間眠っていたかという感覚は、思うほど正確ではないことがある、という記述です。
自覚する睡眠時間は床上時間を反映しやすく、やや不正確である可能性があることを知っておく必要があります。
(同ガイド ショートコラム「睡眠時間の主観的評価の限界について」より)
寝床にいた時間と、実際に眠っていた時間は同じではありません。この差については睡眠効率のページで触れています。
同じ資料には「日中の眠気や睡眠休養感に応じて、各個人に必要な睡眠時間を自ら探る必要があります」という一文もあります。時間数を人と比べるより、日中どう過ごせているかを手がかりにする、という書き方です。
よく聞く言い方と、資料にそった受けとめ方
| よく聞く言い方 | 資料にそった受けとめ方 |
|---|---|
| ショートスリーパーは生まれつき決まっている | ガイドにこの言葉の定義や条件は見あたりません。書かれているのは個人差があることです |
| 訓練すれば睡眠時間は短くできる | 短くする方法は書かれていません。成人版の目安は6時間以上です |
| 4時間で足りる人がいるらしい | 「6時間未満でも睡眠が充足する人もいる」とはありますが、時間数は示されていません |
短くすることを目標にしない
ここまでを、短く並べておきます。
- 「ショートスリーパー」は日常語で、公的な資料の用語ではない
- 資料に書かれているのは「必要な睡眠時間には個人差がある」ということ
- 成人版の目安は6時間以上。短くする方法は書かれていない
- 睡眠時間の自覚は、実際とずれていることがある
時間数で自分を分類するより、朝起きたときの感じや日中の眠気をながめてみるほうが手がかりになります。起きた直後のぼんやり感には睡眠慣性という言葉もあります。寝室の明るさや音も見直せる部分です。眠れない状態が続くとき、日中の生活に支障が出ているときは、ひとりで抱えこまず医療機関にご相談ください。
よくあるご質問
自分がショートスリーパーかどうかは、どうすればわかりますか。
「何時間未満ならショートスリーパー」と決めた公的な定義は見あたりません。厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」に書かれているのは、適正な睡眠時間には個人差があり、日中の眠気や睡眠休養感に応じて必要な睡眠時間を自ら探る必要がある、ということです。数字で自分を分類しないほうが、資料の書き方には沿っています。
訓練すれば、睡眠時間は短くできますか。
このページで参照した資料に、睡眠時間を短くする方法は書かれていません。厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」成人版の推奨事項は「適正な睡眠時間には個人差があるが、6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保する。」というものです。
短い睡眠でも日中つらくなければ、そのままで大丈夫でしょうか。
同じガイドのショートコラムには、自覚する睡眠時間は床上時間を反映しやすく、やや不正確である可能性がある、という記述があります。日中の眠気や朝の休まった感じを何日かながめてみてください。眠れない状態が続くとき、日中の生活に支障が出ているときは医療機関にご相談ください。
出典・参考
- 厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023(PDF・「睡眠に関する基本事項」9ページ/「成人版」11ページ)
- 厚生労働省 睡眠対策
ご注意
この記事は一般的な情報をまとめたものであり、病気の診断・治療・予防を目的としたものではありません。アプリ「ひつじの添い寝」は医療機器ではなく、症状の改善や治療を行うものでもありません。
眠れない状態が続くとき、日中の生活に支障が出ているときは、ひとりで抱えこまず医療機関にご相談ください。